ホーム > Uncategorized > 事業承継の時にかかる税金と節税方法 中小企業は知っておくべき知識

事業承継の時にかかる税金と節税方法 中小企業は知っておくべき知識

pixta_47997035_S
(写真=PIXTA)

事業承継を行う際、確実に押さえておきたいポイントが「税金」です。平成30年度からは制度が改正されているため、中小企業経営者は概要をきちんと把握しておきましょう。今回は事業承継に関する税制に加えて、各税金の節税対策を紹介します。

後継者に受け継ぐ事業継承で発生するのは「相続税」と「贈与税」

親族などの後継者に事業を承継する場合、課せられる税金は主に「相続税」と「贈与税」の2つです。事業承継の方法によって税金の種類は異なり、税率や負担する金額も変わってくるため注意が必要です。

1.相続税

相続税が課せられるのは経営者が亡くなり、会社や事業を後継者に相続する場合です。税率は相続財産の価値(株式の評価額)によって異なり、2019年8月現在は以下の速算表で税額を算出できます。なお、法定相続分に応じる取得金額とは、正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた残りの額を民法に定める相続分により按分した額です。

法定相続分に応ずる取得金額 税率(控除額)
1,000万円以下 10%(なし)
3,000万円以下 15%(50万円)
5,000万円以下 20%(200万円)
1億円以下 30%(700万円)
2億円以下 40%(1,700万円)
3億円以下 45%(2,700万円)
6億円以下 50%(4,200万円)
6億超 55%(7,200万円)

後継者が複数人いる場合は細かい計算が必要になりますが、仮に後継者が1人の場合は、

法定相続分に応ずる所得金額=相続財産の価値(株式の評価額)-3,000万円―600万円×1名

相続税額=(法定相続分に応ずる取得金額×税率)-控除額

という計算式で税額を把握できます。

2.贈与税

生前贈与によって事業を承継する場合は、後継者に贈与税が課せられます。贈与税も株式の評価額によって税率が異なっており、2019年8月現在は以下のように定められています。

基礎控除後の課税価額 税率(控除額)
200万円以下 10%(なし)
300万円以下 15%(10万円)
400万円以下 20%(25万円)
600万円以下 30%(65万円)
1,000万円以下 40%(125万円)
1,500万円以下 45%(175万円)
3,000万円以下 50%(250万円)
3,000万円超 55%(400万円)

贈与税についても、基本的な計算方法は相続税と同様です。

基礎控除後の課税価格=株式の評価額―110万円

贈与税額=(基礎控除後課税×税率)-控除額

なお、直系尊属から20歳以上の人に事業を承継する場合は、控除額がやや多い「特例税率」が適用されます。

相続税・贈与税の節税対策――事業承継税制、アドバイザーの活用など

ここまでの内容によると、仮に株式の評価額が1億円の事業を承継する場合、相続では1,220万円、贈与では5,039,500円の税金が課せられることになります。よって、節税対策はきちんと行っておきたいところです。

そこで次は、事業承継の相続税・贈与税の節税対策を紹介しましょう。

事業承継税制を利用する

事業承継税制は、主に中小企業の事業承継を支援するための制度です。もともと納税猶予などは設けられていましたが、従来の制度では期待通りに事業承継が進まなかったため、非上場株式等について平成30年度に以下のように改正されました。


従来の制度 新制度
納税猶予の対象 発行済み株式の3分の2まで 発行済み株式の全株式
税金の猶予割合 相続税:80% 贈与税:100% 相続税:100% 贈与税:100%
対象となるケース 複数の株主から、1人の後継者に相続・贈与する場合に適用 複数の株主から、複数の後継者(3人まで)に相続・贈与する場合に適用

上の表の通り、新しい事業承継税制を利用すれば、相続税・贈与税を支払うことなく事業承継を進められます。ただし、計画策定や雇用確保要件など、適用されるための条件がいくつか設けられているため、国税庁のホームページで確認しておきましょう。

アドバイザーを利用する

税制に詳しいアドバイザーや専門家を頼る方法も、節税対策として効果的です。例えば、事業承継をサポートしている税理士事務所は全国にありますし、M&Aの仲介業者やコンサルタントなども選択肢に含まれます。

アドバイザーに依頼すると、株式の評価額を抑える方法など、より専門的な節税対策を提案してもらえる可能性があります。また、事業承継全体を支援するアドバイザーを選べば、手間や時間的なコストも抑えられるでしょう。

ただし、アドバイザーによって結果が変わる可能性もあるため、得意分野や実績などをしっかりと情報収集した上で、慎重に依頼先を選ぶことが重要です。

制度を正しく理解して、最大限の節税を

事業承継にかかる税金は、準備次第で大きく抑えられます。特に事業承継税制が改正されてからは、相続税・贈与税が発生しない形で事業承継を進められるので、制度の概要を正しく理解しておく必要があります。

また、税制についての理解が難しい場合や、事業承継に関する悩みを抱えている場合は、税理士などのアドバイザーを頼ってみてはいかがでしょうか。

事業承継に関するお問合せはこちら

【オススメ記事】
必見!M&Aで会社を売却する時に注意すべき4つの条件
M&Aで会社を買収した企業オーナーは組織承継も考えよう
初めてのM&A、企業を買収する時に必要な4つのプロセス
事業承継で株価を引き下げた企業オーナーが次に考えることって?
半損、1/3損だけではない?どうして今全損の保険が増えている?