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企業買収(M&A)のメリットとデメリット

(写真=PIXTA)

近年、買収をはじめとするM&A取引の件数が増加し、メディアなどで取り上げられる機会も増えています。後継者不足や変化するビジネス環境への対応などを理由に、資本業務提携や買収・合併などM&Aについて検討している企業経営者もいるでしょう。ここでは、中小企業のM&A取引におけるメリットとデメリットを解説します。

増加傾向にあるM&Aの現状

近年、M&Aの取引件数は増加傾向にあります。たとえば、2018年版の「中小企業白書」(中小企業庁)に引用されている株式会社レコフデータの統計資料によると、2017年時点で年間取引件数が3,000件を超え、過去最高となったことが示されています。2011年のM&A件数が1687件だったので、ここ6年で1.8倍に増加しています。

同白書では、大企業よりも中小企業によるM&A件数が増加しており、また、企業の新設によるグループ化よりも他社の買収を選択するケースが増えているとの分析がなされています。

中小企業においてM&Aが増えている背景には、人口減少社会における人手不足、経営者の高齢化、IoTなど新技術によるビジネス環境の変化、国内需要の減少など、企業を取り巻く経営課題の多角化などが挙げられます。こうした変化に対応して企業が継続して成長していくための一つの手段として、M&Aに注目が集まっているのです。

中小企業オーナー目線で考える買い手のメリット・デメリットとは

M&Aを実施する買い手企業にとって、M&A取引は新たな事業分野にスピード感をもって進出できるというメリットがあります。新規事業を一から立ち上げるにはノウハウや時間の面で制約がありますが、すでに事業を営んでいる企業を買収することで、このような制約を克服することが可能となります。

また、M&Aを実施することで、既存事業の販路を拡大したり、生産や物流のコストを削減したりするなどのシナジー効果が期待できます。対象企業の経営手法のうち自社に足りなかったものを取り入れるといった活用方法も考えられます。

その一方で、交渉の過程で買収価格が高くなり、M&Aで得られる効果以上の高値で取引してしまうというリスクやその他に、ターゲット企業の過去の未払残業代などの問題を引き継ぐリスクが考えられます。

また、ターゲット企業をグループ会社化した場合、子会社における運営を適切にコントロールする必要があります。そのためには親会社における管理コストがかかったり、かじ取りの巧拙次第では期待したシナジー効果が得られないといったことも想定しなければなりません。

売り手から見たメリット・デメリットは?

それでは逆に、売り手企業にとってはM&Aにはどのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。

メリットの一つとしては、売り手企業の経営者に後継者がいない場合、M&Aは事業承継の有力な手段となることが挙げられます。もし、経営者の引退とともに会社を廃業しなければならないとすれば、取引先や従業員にも多大な影響を及ぼします。しかし、M&Aを活用すれば、このような事態を避けることができます。

また、会社を売却することによって、オーナー経営者はまとまった資金を手にすることができます。つまり、会社経営の出口戦略として自社株式を現金化できるというメリットがあります。

一方で、自身の後継者ではなく外部の第三者に売却した場合、これまでの経営方針とは異なる会社になったり、今まで勤めてくれた役員や従業員に対する待遇が変わってしまう可能性があります。

さらに、親族などに対して事業承継する場合には贈与税や相続税の優遇制度(いわゆる事業承継税制)の適用がありますが、M&Aによる売却の場合、自社株式の譲渡益に対して所得税などの税金が課されることになります。

コストなども考慮して専門家に相談を

以上のように、M&Aには買い手企業、売り手企業の双方にとってメリットとデメリットが存在します。M&Aの活用に際しては、自社におけるメリットとデメリットを見極めて検討する必要があります。

さらにM&Aにかかるコスト面についても注意が必要です。一般的に、M&Aの手続きを進めるためには専門的な知識が必要となり、M&Aアドバイザーと契約します。その場合のアドバイザリー報酬は、M&Aにおける買収価格の一定割合といった形で決定されます。また、デューデリジェンスと呼ばれる対象企業の詳細調査が必要となるケースもあります。

事前に事業シナジーなどのメリットや税金・コストを考慮しつつ、専門家に相談して進めることがM&A成功の秘訣と言えるでしょう。

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