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中小企業経営者必見!イチから分かる事業承継計画表の作成方法

(写真=PIXTA)

そろそろ後継者を用立てて計画的に事業承継を進めていきたいと思う中小企業経営者がすべきことは「事業承継計画表」を作成することです。しかし、事業承継を行ったことがある人は少なく、どのように計画を立てるのがよいのか悩む人もいるはずです。そこで、今回は事業承継の作成方法を3ステップにして詳しくお伝えします。

ステップ1 事業承継計画を立てるための事前準備

事業承継の計画を立てるためにはなんといっても事前準備が重要です。ここで会社や自分についてさまざまな要素を出し、事業承継計画を立てやすくしましょう。そのためには下記のことに注意が必要です。

関係者の状況を確認

将来のことを考えて、事業承継を検討しようと思ったら、事業承継にかかる関係者にどのような人がいるのか把握しておくことが重要です。考えられるのは、親族関係とその他の関係者です。

・親族関係
配偶者、子ども(長男、次男、長女)など

・その他の関係者
右腕となる役員、顧問、将来の幹部候補の社員、引退した元取締役など

上記の人たちが社内でどのようなポジションにいて、周囲や取引先とどのようなコミュニケーションを取っているか、信頼されているか、能力は十分にあるか客観的にチェックしましょう。例えば、長男を後継者にしたいと考える場合、社歴や経営知識がいかほどなのかを分析し、これから後継者として育成するにあたり、何を教えるべきなのかを洗い出しましょう。

事業承継の現状把握

次に考えたいのは、経営者個人と会社の資産状況です。事業承継では自社株や他の資産を引き継いでいく必要があります。さらに、会社のことを後継者に伝えるにあたり、どのような経営資源があって、リスクとして考えられることは何かを把握するのです。

・個人資産
自社株式(総発行済株式総数100%):評価2億円
不動産(自宅、別荘、投資物件):評価5億円
預貯金:2億円
有価証券:1億円
合計:評価10億円

・会社の経営資源やリスク
役職員数:50名
総資産:10億円
自己資本:3億円
売上高:12億円
経常利益:5億円

上記のように洗い出しをしたら、株式等の時価が動くものはどれくらいの評価になることが考えられるのかを検討しましょう。また、会社の経営資源や競合の状況などのマーケティングも含めて必要な情報をしっかり認識しておきましょう。

また、自らの相続が発生した時に、自社株を誰にどのように保有させるのかを考えることも重要です。加えて、会社の定款で株式譲渡制限規定が定められているのかいないのか、相続人に対して売渡請求してもよいといった定めがあるのかないのかで自社株の保有率も変わってきます。

スムーズな経営をするために自社株を100%に持っていたとしても、後継者や親族、関係者に分割して渡せば、その分意思決定が遅れるリスクもあります。注意が必要です。

ステップ2 事業承継計画表を作成するための整理

現状の洗い出しができたら、ネクストステップとして、事業承継の概要、会社理念、中長期的な数値目標、いつから事業承継を始め、いつまでに終わらせるのか実施時期や対策を具体的に整理してみましょう。そのために、現経営者、後継者、事業承継方法、そして事業承継が終わる時期を明確にします。

例えば、現在50歳の経営者が、現在30歳の長男を後継者にして(親族内承継)をして、長男が40歳になる10年後に事業承継を完了させたいと考えるなら、それを事業承継の概要として考えましょう。

次に、事業承継する会社の経営について何を伝えるべきなのかを明確にしましょう。特に、経営理念やミッションステートメント、経営ビジョンはブレることのないよう、意義や目的を踏まえて伝えなければなりません。分かっているだろうとは思わずに、引き継ぐこととして項目に入れておきます。

また、将来の事業計画も重要です。とりわけ、3年、5年、10年などの中長期的な数値目標を今のうちから説明し、数字に対して意識をもたせ、精緻なマネジメントができるよう育成項目にいれておきましょう。

さらに、後継者教育や財産の分配をどのようにするのかを具体的な施策として落とし込むことが重要です。

ステップ3 計画表に落とし込みましょう

ここまで検討できたら、10年後の経営権の移譲を目指して事業承継計画表を書いてみましょう。事業計画、定款・株式などの変更・異動、経営者の年齢、後継者の年齢、役職、関係者への理解、株式・財産の分配、自社株比率、社内外向けの後継者教育など、複数の項目がありますが、それらを表にして目で見えるようにしましょう。

事業承継において、チェックすべき項目は複数ありますし、手間暇がかかり、すべてを網羅できない可能性もあります。そういった時は金融機関などの専門家にチェックしてもらうのも一案です。気づけていなかった目線でアドバイスをくれるでしょう。テンプレートを用いてもよさそうです。中小企業庁にはダウンロード可能なチェックシートや事業承継計画書があります。考え方が分からない場合は参考にてみましょう。

事業承継計画表は将来へのバトン

上記のように可視化してまとめておくことで、いつまでに何をしなければいけないのか明確になりますから、自分自身、そして後継者の双方の認識合わせにもなります。さらには後継者以外の家族や従業員、取引先、協力先、金融機関の理解を得られやすくなり、協力もしてもらいやすくなります。

経営者自身もこれまで一心不乱に頑張ってきた会社のことを客観的に見直すいいチャンスだといえます。企業が永続的に成長するために今後何をすべきなのかを後継者とともにディスカッションを重ねながら育成していくこともできるでしょう。事業承継計画表をまとめることで、次世代へバトンをスムーズに渡せるといっても過言ではありません。

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