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事業承継は貸借対照表の見直しを!遊休資産を整理するチャンスと捉えよう

(写真=PIXTA)

事業承継を検討する経営者は、これまでの経営理念や事業内容の振り返り、今後の事業計画、そして保有資産の状況など、さまざまなことを整理します。特に、第三者に企業を売却しようと思っている経営者の場合は、これまで放置していた土地、工場、機械などの遊休資産や不良資産の必要性についても検討し、貸借対照表(B/S)の見直しを行うことが重要です。

遊休資産や不良資産が貸借対照表(B/S)に掲載される時

企業は事業の売上拡大を見込み、戦略を立てて日々業務を進めています。優秀な経営者の場合は本業の事業が好調な場合、新規事業などの別事業に進出して事業の幅を広げたいと考えているものです。しかし、会社経営において経営者が意識しているのはあくまでも業績です。安定的に売上が見込める本業などの主力事業などは予算を割り当て、人員やリソース(経営資源)を確保して、必要に応じて追加で投入しながら、売上の進捗状況を適宜モニタリングしています。

一方、新規事業は予算やリソースなどの投資がしづらいため、新規事業が軌道に乗らなければ、遊休資産が増えてしまうケースもあります。そうすれば、貸借対照表(※以下B/S)にも遊休資産などの記載が行われることになるのです。

M&Aにおいて、買い手側から見た遊休資産や不良資産の見方

遊休資産や不良資産は必ずB/Sに記載しなければなりませんが、M&Aで第三者に企業や事業の売却を検討する場合には、遊休資産があることで買い手にマイナスの印象を与えてしまうこともあります。

M&Aにおいて、売り手側は1円でも高く会社を売りたいと思うはずです。しかし、買い手側は会社の事業内容や財務諸表の健全性、業界や会社の成長性などを総合的に勘案して、会社を買収するかどうか判断します。

そのため、立ち上げた事業が軌道にのらなかったり、途中でうまくいかなくなったりすれば、効果的な資産活用ができず、結果として遊休資産が増えてしまう原因にもなります。当然、遊休資産や不良資産があれば収益率は低下することになりますから、買い手側の企業は「なぜ遊休資産を持っているのか。そういった資産を管理できていないのではないか」と経営能力について不安に思う可能性も高まります。

そのため、事業承継でM&Aを検討する時には遊休資産や不良資産について予めよく確認しておくことが求められるのです。

遊休資産や不良資産は現金化し、B/Sの改善を

それでは、事業承継において経営者は遊休資産や不良資産をどう考えるのがよいかを考えましょう。まず、今の自社の事業内容や経営戦略、リソースや資源の投下状況が適切なのかどうかを確認し、採算が見合っているかを確認します。そのうえで、保有している資産の中で事業価値がない、今後使わないと考えられる遊休資産や不良資産は売却するなどしていきます。そこで得た資金を必要な事業用に投資をしたり、借入金の返済に充てたりすることによって、企業としても本当に必要なところに投資ができるようになっていくのです。

また、創業経営者の場合は保有資産の中に個人で活用している資産がある場合もあります。例えば、自動車や自宅などが含まれている場合は、会社から社長個人の資産に変更し、会社と関係のある資産のみを残すことが重要です。そうすることによって、買い手側に健全に利益成長を遂げる会社だと高評価を得られ、売却先が見つかりやすくなるだけでなく、高額な売却ができる可能性も高くなるのです。

事業承継では早めに資産の棚卸しを

このように、事業承継において遊休資産や不良資産を処理して、本当に必要な事業に資金投下し、利益を生み出せる体制にしておくことが重要です。今回はM&Aの買い手から見た評価を中心にお話してきましたが、親族承継や社内承継をするにしても、次世代の経営者が効率よく利益成長を遂げられる企業を作るためには、今の時点で不要だと思われる資産を売却し、財務状況をわかりやすくしておくことが必要なのです。

事業承継では時間は待ってくれませんから、早めに資産の棚卸しを行い、遊休資産を売却する方向で進めていくことが肝要といえるでしょう。

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