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新規事業は「買う」ことで時間短縮ができる?経営者なら事業譲渡という考え方も候補に

(写真=PhotoByToR/Shutterstock.com)

会社経営において新しい事業を立ち上げる場合、会社内外からその分野に詳しい人を招集してチームを作り、事業を軌道に乗せようと考えます。しかし、最近は後継者不足のため、業績がよいにもかかわらず廃業を検討せざるを得ない企業から、事業譲渡によって新規事業を買収する企業が増えています。これはなぜなのでしょうか。

事業譲渡のメリット

最近、個人でもM&A(合併・買収)をして事業だけを売却するケースが増えてきました。後継者不足に悩む中小企業経営者が企業を永続させるために、第三者に売却するというものです。事業を買収する側からしても、新規事業をイチから立ち上げる必要がないのは大きなメリットです。他にも、事業に関する商品・サービスそのもの、工場や建物などの不動産を引き継げるため、新たな有形資産の準備をする必要もありません。

加えて、流通網や顧客網、その事業に携わる人材を事業と一緒に引き継げます。これまでのノウハウやターゲット顧客のマーケティング、PR手法などをゼロから考える必要がないので、売上拡大までをショートカットできるのが特徴です。

企業としては、すでに軌道に乗っている事業を資産やノウハウ、人材を含めて引き継げることから、今後の事業計画の算段がしやすく、事業を買収することが時間の短縮にもつながっていくのです。

事業譲渡のデメリットやリスクはある?

ただし、事業を買収するときにはデメリットや注意点もあります。まず、さまざまな資産が引き継げるとはいえ、それぞれの資産や個別の契約ごとに引き継ぎに関する契約書が必要です。サービスやサービス以外に、雇用契約も見直しが必要です。契約のひとつひとつを確認して合意するまでには思った以上に時間がかかる可能性もあるので、予め確認しておくほうがよいでしょう。

特に、人員契約はより丁寧な確認を要します。事業譲渡では組織承継も同時に行わなければなりません。雇用契約の変更、業務フローの違い、企業風土の差に戸惑い、同業他社へ転職したいと考える従業員が出ないとも限りません。人材の引き継ぎを行う際には、売り手の企業オーナーとよく相談しておきましょう。

また、事業を買収する際に借入れ金を活用する場合、忘れてならないのは資金繰りです。融資を受ければ毎月返済が必要になりますが、事業に失敗すれば返済不能になるおそれもゼロではないのです。そのため、キャッシュフローをよく考えて返済計画を立て、永続的に企業が存続するよう検討していくことが大切です。

加えて、「のれん」も忘れないようにしましょう。事業を買収した時に、相手企業のノウハウや販路、ブランド力などの無形資産への対価として「のれん」を上乗せします。この金額が大きいほど売り手は満足しますが、買い手にとってはリスクを抱えることになります。M&Aによって発生した「のれん」は20年間で規則的に償却、つまり毎年費用として処理します。

取得原価が資産と引き受けた負債の総額を上回る場合には、資産に無形固定資産として計上されます。逆に下回る場合には、負債の部に計上されますから、会計も押さえておくべきポイントなのです。

組織承継や事業統合がうまくいかなければ、承継したサービスの見通しも立たなくなり、ノウハウを持つ従業員が他社に流出するなど、先行きが案じられるかもしれませんから、リスクを考慮したうえで行動しましょう。

事業を買う選択をしたい場合は専門家に相談を

このように、新規事業の立ち上げを行う際には、他から買う手段を取るほうが早く事業が軌道に乗るケースがあります。世の中には多くのノウハウやサービス、人材を持つ会社が盛りだくさんです。もしも事業を買うという選択肢を検討する場合は、金融機関をはじめとする専門家に相談するのが賢明でしょう。

特に金融機関は取引先である「あなたの会社の状況」、経営者である「あなたの戦略上の考え」をよく認識したうえで適切なアドバイスをくれるはずです。

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