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専門家も陥る「税務・損金」の落とし穴!企業側・税理士側の双方が知っておきたい3つのミス

(写真=PIXTA)

税務や損金の仕組みは複雑なので、中には税理士でさえ見落としてしまうポイントがあります。特に間違えやすい部分については、企業側・税理士側の双方が理解を深めることが重要です。失敗のリスクを抑えるために、陥りやすいミスを確認していきましょう。

1.消費税の課税方法の選択ミス

数多く存在する税金の中でも、消費税は特にトラブルが発生しやすい税金。その主な要因は、課税方法の複雑さにあります。

消費税の課税方法には、大まかに納税額を計算する「簡易課税」と、厳密に算出する「原則課税」の2つが存在します。さらに、すでに支払った消費税の控除にもいくつかの方式があるので、どの方式を組み合わせるのかによって納税額に大きな変化が生じます。

このように仕組みがやや複雑であるため、消費税については税理士に相談する経営者が少なくありません。しかし、たとえば担当者が途中で変わるようなケースでは、税理士が有利な方式を選び忘れてしまうトラブルが発生しがちです。

税賠保険(税理士職業賠償責任保険)の支払金額を税目別に見ると、2018年度のデータでは消費税関連のものが圧倒的にトップ。つまり、消費税の仕組みは専門家でも間違えやすいので、ミスにいち早く気づくために経営者側も基礎知識をつけておきたいところです。

2.法人税の優遇税制の適用漏れ

法人税関連のトラブルも、中小経営者が特に注意しておきたいポイントです。税賠保険の支払金額・件数を見てみると、法人税関連のものは全体の約3割を占めています。

近年、法人税に関するミスで特に多いものが「所得拡大促進税制」の適用漏れ。所得拡大促進税制は、賃上げによって前年度から支給額が増えた場合に、税額控除を受けられる中小企業向けの制度です。

基本的にどのような制度でも同じですが、適用を受けるには手続きをしなければなりません。同制度においても、要件を満たしたうえで「経営力向上計画に係る実施状況報告書」を作成し、その書類を税務申告の際に添付することが求められます。

本来であれば利用できる優遇制度が適用されない状況は、会社にとって大きなダメージとなり得ます。特に新しい制度は適用漏れが発生しやすいので、中小企業庁などの公式ホームページをこまめに確認し、常に最新の情報をチェックしておくことが重要です。

3.役員報酬・役員退職金に対する、認識の甘さによるミス

「事前確定届出給与」として支給される役員賞与は、損金に算入することができます。しかし、損金算入を可能にするためには、税務署に対して届出をしなければなりません。

経営者自身がこの点を理解しておけば問題はありませんが、中には「届出が必要なことを知らなかった…」という経営者もいることでしょう。実際に、この点について税理士から説明を受けていなかった企業が、数年間届出をしていなかった事例が存在しています。

また、役員報酬や役員退職金に関しては、「税務調査」も強く意識しておきたいポイントです。役員の収入面は、税務調査において特に厳しくチェックされやすいので、きめ細やかな対策が求められます。ここで仮に顧問税理士の認識が甘いと、税務官から思わぬ指摘を受けかねません。

役員報酬などに関するトラブルは、会社の財務状況だけではなく、経営者の収入面にも影響を及ぼします。ミスが生じると深刻なダメージにつながりかねないため、経営者自身もしっかりと基礎知識をつけておきましょう。

経営者自身もミスを防ぐための対策を

今回いくつか紹介したように、税理士も人間であるためミスをしないとは限りません。リスクヘッジとして税賠保険を活用する専門家もいますが、損害賠償保険の補償金額にも限度があるため、まずはミスの発生を防ぐことから考える必要があります。

経営者自身が知識をつける方法でもミスは防げますが、不安を感じたら相談する税理士を変える方法も手段のひとつです。税理士によって得意分野・苦手分野は異なるので、しっかりと情報収集をしたうえで、自社に寄り添った専門家を選びたいところでしょう。

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