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節税に欠かせない「損金」とは?今さら聞けない基礎知識を正しく理解

(写真=PIXTA)

会社の税金に大きく関わってくる「損金」。税務の基礎知識ともいえる言葉ですが、複雑な側面があることから曖昧に覚えている経営者もいるのではないでしょうか。損金は節税にもつながる話なので、不安を感じている方はこれを機におさらいをしていきましょう。

節税に欠かせない「損金」とは?費用や経費との違い

損金とは、法人の資産の減少につながる「原価・費用・損失」のことです。以下の法人税を計算する際に用いられる項目であり、損金が増えると法人税のベースとなる所得が減少するため、税金を抑えることにつながります。

課税所得=益金-損金

「費用」や「経費」も似た意味合いを持つ言葉ですが、費用・経費の中には会計上には含まれるものの、税務上には含まれない項目が存在します。つまり、税務においては必ずしも「費用(経費)=損金」とはならないため、「損金」という表現が使用されています。

損金の3つの種類を正しく理解しよう

前述でも軽く触れましたが、損金は大きく「原価・費用・損失」の3つに分類されています。では、それぞれの損金が具体的に何を表すのか、以下で詳しく見ていきましょう。

1.原価

原価とは、その文字の通り商品にかかる原価のこと。一般的なケースでは企業は常に在庫を抱えるため、事業年度の原価は以下の式によって計算されています。

原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高

・期首商品棚卸高…事業年度の初めにもともとあった、前期末の在庫価額のこと
・当期商品仕入高…当期に仕入れた商品の原価のこと
・期末商品棚卸高…事業年度末に残っていた、当期末の在庫価額のこと

ちなみに原価の計上は「発生主義」が原則であり、原価を損金として計上する時期は、商品の売上によって益金が発生したタイミングと同一です。

2.費用

費用とは、事業活動を進めるうえで発生したコスト全般のことです。少額から高額までさまざまなコストが含まれるので、費用は損金の中でも特に細かく分類されています。

詳しくは後述しますが、中には費用としての計上が認められないコストもあるため注意が必要です。また、計上するタイミングについては、原価と同じく「発生主義」が原則となり、費用を損金として計上する時期は、その事業年度終了の日までに債務の確定したものを損金として計上します。

3.損失

損失は、会社の資産価値が減少した場合に計上される項目です。具体例としては、回収見込みのない不良債権が発生したケースや、災害によって固定資産の価値が下がったケースなどが挙げられます。

損失を計上するタイミングについては、損失の発生の事実が生じたときですので注意しておきましょう。

損金算入と損金不算入――複数年にわたって損金算入されるものも

法人税の計算において、損金として計上することを「損金算入」と言います。その一方で、仮に会計上では費用として扱われていても、税務上で損金として計上できないものは「損金不算入」と呼ばれています。

では、具体的にどのような項目が損金算入・損金不算入に含まれるのかについて、以下で一例を紹介します。

損金算入に含まれるもの(一例) 損金不算入に含まれるもの(一例)
・販売費 ・一般管理費 ・繰越欠損金 ・特別償却準備金 ・事業税 など ・法人税や都道府県民税 ・一定以上の寄付金 ・一定の接待交際費以外のもの ・一定の役員給与等以外の給与等 ・評価損 ・貸倒損失 など (※評価損、貸倒損失は一部例外あり)

上記以外にも、特に損金算入にはさまざまなコストが含まれます。また、以下の「繰延資産」や「減価償却資産」のように、複数年にわたって損金算入される特殊なコストも存在しています。


概要 一例
繰延資産 支出の効果が支出の日以後1年以上に及ぶもので一定のもの ・創立費や開業費 ・商品の開発費 など
減価償却資産 事業で使用する一定のもので経年により価値が減っていく資産のこと ・大型の機械や設備 ・自動車 など

このように損金は細かく分類されていますが、発生したコストがどの項目に該当するか迷ってしまった場合には、税務上での取り扱い方をひとつずつ丁寧に調べることが重要です。

税務は正しい知識を身につけた上で、丁寧に処理をすることがポイント

損金が増えると課税所得が下がるので、損金の計上は節税につながります。ただし、今回解説したように損金として計上できないコストや、単年では処理できないコストも存在するため、安易にすべてのコストを損金として処理してはいけません。

不要なトラブルを避けるためにも、課税所得を計算する際には正しい知識を身につけ、判断に迷う部分が見つかった場合には丁寧に調べることが大切です。

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