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中小企業の企業型確定拠出年金導入!従業員にも会社にもメリットはあるのか

(写真=PIXTA)

人生100年時代と言われる中、少子高齢化の波が進み、公的年金の受給開始年齢の引き上げや退職年齢・再雇用などが話題にのぼっています。企業として従業員の今後を見据えた制度設計を行いたいと考える経営者は「確定拠出年金」制度の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

従業員が企業型確定拠出年金に加入するメリットとは

これまで確定拠出年金は「企業型」が主流でした。それが、2017年に個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)の加入範囲が拡大し、2018年には中小企業向けに中小事業主掛金納付制度(iDeCo+・イデコプラス)も始まり、さまざまな制度設計ができるようになりました。

企業型確定拠出年金は厚生年金の被保険者である60歳未満の従業員が加入できる制度です。企業の年金規約次第では65歳まで入れますし、老後に向けた資産形成に役立つ制度だといえます。しかし、従業員が企業型確定拠出年金に加入することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

非課税のメリットを享受できる

企業型確定拠出年金は従業員にメリットがある制度で、拠出金が所得控除の対象になる、運用益が非課税になるという特徴があります。受け取りは60歳以降になりますが、一時金もしくは年金、または両方の3パターンから受け取り方を選べ、受け取り方に応じて一定金額までは税控除の対象になります。

決められた商品の中から自由に商品選定ができる

さらに、決められた運用商品の中から従業員自身が自由に商品や金額選定ができるので、資産運用について考えるきっかけにもなります。

企業によって企業型確定拠出年金は個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)との併用もできる

企業が社内規約で認めていれば企業型確定拠出年金は個人型確定拠出年金と併用も可能(ただし、社内規約の変更には労使合意が必要)です。

会社側から見た企業型確定拠出年金のメリット

従業員の立場から見ると企業型確定拠出年金はさまざまなメリットがありますが、会社としてはどのようなメリットがあるのでしょうか。

倒産しても企業型確定拠出年金を従業員に渡せる

退職金制度導入中の企業が万一倒産してしまうと、資金繰りの状況によっては会社に現金がなく退職金を支払えないケースも考えられます。今まで働いてくれた従業員に渡すものがないのは経営者にとっても心苦しいことではないでしょうか。

確定拠出年金や企業年金、共済年金の積立金は会社の資産と分けて管理するものだと決まっているので、会社が倒産しても従業員は資産を持ち続けることができます。なお、積み立てた資金は会社の資金繰りには利用できません。

企業型確定拠出年金は積立金不足のリスクを回避できる

厚生年金基金や適格退職年金を導入していた場合、運用結果が当初の予定利率を下回ると企業が差額分を支払わなくてはなりません。企業型確定拠出年金は企業が拠出をするものの、運用は個人の成績によるものですから、積立金不足で困ることがありません。厚生年金基金や適格退職年金を導入している企業は企業型確定拠出年金の割合を少し変えるだけでも、退職給付債務が減少する効果が生まれるはずです。

企業型確定拠出年金は優秀な人材の獲得にもつながる可能性

企業型確定拠出年金は優秀な人材の確保にも繋がります。こういった福利厚生制度があると従業員を大切にしている企業だというブランディングになり、外部の優秀な人材に向けたアピールに繋がります。従業員が自己都合で退職する場合でも、懲戒解雇になってしまう場合でも、勤続3年を超えれば、退職事由にかかわらず積み立てた資産を渡せます。

掛け金を全額損金算入できる

さらに、企業型確定拠出年金は企業の節税対策にも活用できます。企業が拠出した掛け金は全額損金算入することができます。例えば、会社に退職一時金制度があるのなら、一部を企業型確定年金に変更すれば途中退職者向けにも一定のお礼として資産を渡せますし、企業の節税にもつながります。

複数の制度を活用して、メリットを享受しよう

このように企業型確定拠出年金は企業にとっても従業員にとってもメリットがあることが分かりました。企業によっては、企業型確定拠出年金への加入の有無について各個人のライフプランに合わせて選べるようになっています。さらに、他の共済制度と併用することで、それぞれの制度のメリットを享受できるようになりますから、会社と従業員双方にとってベストな選択をするのがよいでしょう。

導入手続きやコスト面への不安、社員をうまく金融教育できるか、さらに企業としても導入後に掛け金を掛け続けられるかといった疑問も出てくるかもしれません。そういった場合には銀行の担当者に相談してみるのも手です。銀行には確定拠出年金について詳しい人達がいて、会計や制度、社内規定などにさまざまな角度からアドバイスをしてくれます。少人数の会社でも導入できますから、一度相談してみるといいかもしれません。

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