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オペレーティング・リースを万一中途でやめたくなったらどうなるのか?

(写真=PIXTA)

オペレーティング・リースは節税できる可能性があるとして人気のある商品です。オペレーティング・リースは通常、長期にわたって出資を行うもので基本的に途中解約することが出来ないですが、万一、中途でやめた場合にはどのような会計処理が必要となるでしょうか。今回はオペレーティング・リースの概要やメリット、デメリットを確認した上で、中途でやめた場合の会計処理を検討してみましょう。

オペレーティング・リースとは?

オペレーティング・リースとは、複数の投資家が出資をして航空機、船舶、海上輸送用コンテナなどを対象とするリース事業を行い、リース期間中の事業損益やリース期間終了時の物件売却損益を投資家に分配するものです。

通常、リース事業を行う営業者と投資家との間で匿名組合契約を締結し、投資家からの出資と金融機関からの借入金でリース物件を取得します。リース物件は航空会社をはじめとするエンドユーザーに賃貸され、リース料収入やリース物件の売却収入がリース事業に取り組む匿名組合の主な収益源となります。

オペレーティング・リースのメリット

オペレーティング・リースは、収益性を追求するというよりは、節税目的や利益を平準化させる目的で利用されることが多い商品です。そのため、メリットとしては次のような点が挙げられます。

・利益圧縮効果

金融機関からの借入金も利用するため、投資額よりも高額な資産を所有することができ、減価償却費の計上による利益圧縮効果が期待できます。

・内部留保を増やす

短期間で出資金と同額まで全額損金算入が可能なため、課税所得の繰延効果があり、内部留保を高めることができます。

・安定した経営計画

課税所得の繰延効果により、決算上の利益を安定させたり、満期時の収入を設備投資に回したりすることができます。

オペレーティング・リースのデメリット

オペレーティング・リースのデメリットとしては、毎年の保険料が発生する法人保険とは異なり、最初に投資額の全額が必要になる点が挙げられます。また、リース事業自体にビジネス上のリスクがあるため、匿名組合出資も元本割れする可能性があります。さらに、法人保険であれば中途解約が可能ですが、オペレーティング・リースは基本的に中途解約できないため、長期にわたり資金が凍結されます。

オペレーティング・リースをやめたときの会計処理は?

・通常の処理

通常、オペレーティング・リースは投資した当初に損失が出るように設計されています。たとえば、1年目で出資額の6割、2年目で出資額の4割を損金計上できるような商品が想定されます。

仮に、出資額が1億円で、その事業年度における匿名組合からの損益分配がマイナス4,000万円であった場合、一般的な会計処理は

(借方)匿名組合損益4,000万円/(貸方)出資金4,000万円

となります。逆に、リース期間の後半に損益分配がプラスになれば借方と貸方が逆の仕訳が計上されることになります。

・持分譲渡の処理

上述のようにオペレーティング・リースは基本的に中途で解約することが予定されていません。何らかの事情によりオペレーティング・リースをやめたい場合には、中途解約する代わりに、匿名組合の持分を譲渡する手段も考えられます。もし、持分を譲渡することができた場合、出資金の簿価と譲渡対価との差額を損益として処理することになります。

オペレーティング・リースは市場のない商品ですので持分譲渡などで当初の出資額を回収することは困難です。ただし、当初の2年程度で簿価がすでにゼロになっているのであれば、回収額を特別利益として処理することが考えられます。

・解約時の処理

匿名組合契約を仮に中途解約できた場合でも違約金の支払いの必要性が出てくることが想定されます。違約金については特別損失として処理することが考えられます。ただし、上記同様、簿価がすでにゼロになっているのであれば、回収額を特別利益として処理することが考えられます。この場合、特別損失と特別利益を相殺して差額を損益として処理する方法もあります。

オペレーティング・リースの活用はタックスプランニングが肝

法人保険もオペレーティング・リースもいつ損金が発生して、いつ益金が発生するのか入念にタックスプランニングすることが大切です。予定していない解約が発生することは好ましいことではありません。中途でやめることがないよう十分に計画性を持って活用しましょう。

※実際の経理処理は税理士などの専門家に確認をしてください。
匿名組合契約によって、上記の取扱いと異なる場合があります。予めよく契約内容を確認しておきましょう。

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