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不動産の組み換えは次世代にとって有効か

(画像=zhu difeng/Shutterstock.com)

企業オーナーが事業承継を行う際には、後継者に対して自社株を承継するものだと考えられますが、それ以外にも相続財産は数多くあるはずです。特に土地・建物を保有する場合は不動産の所有方法も検討する必要があります。そこで考えたいのは収益不動産の組み換えです。

相続財産の状況をよく確認するのが第一

企業オーナーが相続を考えるとき、「誰に何を相続するか」ということだけはなく、遺された相続人たちが相続税の支払いに苦しまないように納税資金の対策も一緒に行います。まず、下記の内容を確認しておおよその相続税の試算をすることが必要です。

・ 自分の資産の置き場所とその評価
・ どのような財産をどれだけ持っているのか

預貯金は、金融機関の口座を確認すればよいでしょう。生命保険や損害保険、有価証券は年に1回以上取引状況を示した書面が送付されます(取引状況によっては送付されない場合もある)。また、金融機関へ契約内容の照会をすれば残高を知ることができるでしょう。不動産の場合は、毎年固定資産税課税明細書が届くので、相続税評価額の目安となります。

以前は、富裕層や経営者は土地を買って資産移転するのが主流でしたが、現在は土地で持つことが最重要視される時代ではなくなっています。なぜなら、大相続時代に突入しつつあり、都市部に人口が集まり、地方は過疎化するなどの二極化が進み、資産価値が大きく変わるおそれがあるからです。そのため、過去や現在の資産価値だけではなく、「今後の土地の価値がどうなるか」をよく確認しておく必要があるのです。

収益不動産の組み換えが有効になる理由

そこで、考えたいのは不動産の組み換えです。親や祖父が所有し、代々受け継いできた土地でも収益性が低くなり、次世代にとっては保有することが負担になる場合もあるかもしれません。つまり、収益性が高くなく、保有するだけで税金がかかる場合、財産を守れなくなってしまうのです。そうならないように、郊外にある土地や貸家、駐車場など、保有していても有効活用できない資産を売却して、都市部にある優良資産に買い換えてもよいかもしれません。

事業用資産の買い換えの特例を使うことで、より有利になるケースもあります。また、空き地や空き家などの遊休資産のまま放置されているもので、建て替えれば収益を見込めると思う資産は駐車場や賃貸不動産などに建て替えするのもよいでしょう。毎月の家賃収入が得られるため、相続人が定期的に安定収入を手に入れられるようになります。

収益不動産へ組み換える場合の注意点

一方で、収益不動産への組み換えには留意点もあります。まず、現物の収益不動産の場合は管理が必要になる点があります。不動産そのものの管理は、不動産管理会社に委託する必要もでてくるでしょう。また、納税の管理・申告も必要になりますので、忘れないようにすることが大切です。また、収益不動産が1棟だけの場合、複数の相続人での共有財産にすると、のちのちもめごとが起きるおそれがあります。

なぜなら、何かしらの理由があってその不動産を売却したいと思っても、他の共同相続人の許可が必要になるからです。この点には注意をしたほうがよいでしょう。また、明らかに不動産の評価減だけを意図した取引については、租税回避行為とみなされて、税務上の否認リスクが生じる場合もゼロではありません。収益不動産の組み換えをしないほうが結果としてよかったということにならないように、よく検討しておくことが大切です。

金融機関に相談を

企業オーナーが相続対策の一環として収益不動産への組み換えを検討する場合、上記の注意点を勘案して慎重に判断する必要があります。どのようにしたらよいのか迷う場合は、金融機関をはじめとした専門家に相談をしてみてはいかがでしょうか。独自のノウハウやこれまでの取引状況からよりよい収益不動産の活用方法のアドバイスを受けられるかもしれません。

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