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収益不動産の評価基準って?相続に困らないように企業オーナーが確認すること

(写真=PIXTA)

企業オーナーの相続において最大の懸案事項は自社株式の評価ではないでしょうか。自社株式の評価を抑えるために収益不動産を活用することも有効な方法の一つです。この記事では、収益不動産が相続税上どのように評価されるのかを確認した上で、収益不動産を活用することでどのように自社株式の評価を抑えることができるのかを解説します。

収益不動産の評価方法は?

まずは、通常の相続における不動産の評価方法を確認してみましょう。相続財産には現金、預金、有価証券、不動産などあらゆる財産が含まれます。不動産を含めた財産は国税庁が定める「財産評価基本通達」によって評価されるのが基本です。

この通達によると、不動産のうち建物については固定資産税評価額をもとに、土地については路線価をもとに評価することになっています。路線価がない場合は固定資産税評価額をもとにし、一定の率を乗じる倍率方式を採用します。いずれの場合も実勢価格より相続税法上の評価額の方が低くなるため、現金や預金、有価証券などで相続財産を保有するより不動産として保有する方が有利になります。

●具体的な評価方法

土地の評価に使われる路線価は地価公示価格の80%程度だといわれることがあります。一般的に不動産は相続税評価を実勢価格より2~3割低い価格で表します。また、土地の評価時には形状や接している道路などの要素によって補正されます。

収益不動産として使用される建物は「貸家」として、土地は「貸家建付地」として評価されるため、収益を目的としない不動産よりも評価額が下がります。

●小規模宅地等の特例

なお、一定の要件を満たす土地の相続では「小規模宅地等の特例」も認められています。この特例を適用すれば、賃貸している土地は「貸付事業用宅地等」として200平方メートルまで評価額が50%減るので、かなりの減額効果があります。
(注)ただし全ての賃貸用土地に当てはまる訳ではありません。詳しくは専門家にご確認下さい。

自社株式の相続にはどのように影響する?

以上が通常の相続における収益不動産の評価ですが、不動産の評価が自社株式の評価にどう影響するのか確認しましょう。自社株式も相続財産の一つであるため、上述した「財産評価基本通達」に従って評価されます。

通達によると、自社株式を評価する過程では、会社が保有する財産に対しても相続税法上の評価を行うことになります。つまり先に述べた、収益不動産を保有することによって得られる減額効果は自社株式の評価においても同様にあるということです。

収益不動産を活用する際の注意点は?

ただし、自社株式の評価対策として収益不動産を活用する際には注意すべき点もあります。

●取得から3年以内の不動産

取得してから3年以内の不動産については、相続税評価額ではなく、取得価額で評価するという決まりがあります。つまり、取得してから3年以内に自社株式の相続が発生した場合、上述したような節税効果はほぼ期待できません。

●地価の変動について

上記の3年という基準をクリアしていたとしても、その期間に地価が上昇する場合も考えられます。もちろん、保有している収益不動産の価格が上昇することは悪いことではありませんが、自社株式の評価額を下げるという目的を達成するためには望ましいことではありません。

●事業承継税制の要件

総資産のうち株式や不動産など「特定資産」の占める割合が70%以上である会社(資産保有型会社)や、総収入のうち特定資産からの収入の占める割合が75%以上である会社(資産運用型会社)は事業承継税制の適用対象外となります。つまり、経営承継円滑化法による相続税などの納税猶予を受けることができません。そのため、いくら収益不動産が有利だからといって過度に保有するとデメリットも生じるのです。

専門家にも相談しながら進めよう

収益不動産を活用して資産を圧縮するのは魅力的な方法です。一方で特例には留意すべきでしょう。今回紹介した評価基準を参考にしつつ、金融機関をはじめとした専門家に相談をしながら、収益不動産を検討してみてはいかがでしょうか。

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