ホーム > 経営 > 社債を発行して資金調達!メリット、デメリットや注意点も解説

社債を発行して資金調達!メリット、デメリットや注意点も解説

(写真=lovelyday12/stock.adobe.com)

社債は、金利を低く抑えられることから、主に大企業で発行する会社が増えている資金調達方法です。中小企業にとっては、発行するハードルは高いですが、資金調達方法の1つとして知っておくのも良いでしょう。社債の基礎やメリット・デメリット、発行に関する注意点を解説します。

社債の特徴とは

社債とは、金利や償還期間などを自由に設定し、投資家に直接発行できる債権です。流通市場が整備されていることから、銀行などの金融機関から融資を受けるよりも金利負担を抑え、大規模の資金を集めやすい調達法として利用されます。

ローンのように毎月返済する必要がなく、投資家に年1~2回利息のみを支払えばよいことも特徴です。満期になれば元本を返済します。

社債の種類

社債は、発行方法により、公に広く募集する公募債と、発行する対象を絞った私募債に大別できます。私募債は、適格機関投資家を対象に発行するプロ私募債と、50人未満の投資家に対し発行する少人数私募債の2種類です。

公募社債には、以下のような種類があります。

・普通社債(SB):返済期間中に投資家が利息を受け取れる
・転換社債(CB):一定の条件下で社債を発行する企業の株式に転換できる
・新株予約権付社債(ワラント債):社債と株式を一定価格で購入できる
・劣後債:普通社債に比べ元本と利息の支払い順位が低い社債

社債と株式の違い

借金である社債と異なり、株式は出資です。利益が出た場合のみ株主に配当を支払えばよく(非上場企業の場合は配当支払義務はなし)、元本を返済する義務もないため、負債としても計上されません。しかし、社債を発行された投資家が経営権に影響を与えないのに対し、株主は経営に干渉する権利を持ちます。

社債発行の流れ

発行を決めたら、総額・社債ごとの金額・利息・償還期間などを定めます。募集要項を投資家へ通知し、申込者ごとに金額を割り当て、払込期日と共に申込者へ通知するという流れです。

社債発行のメリット

社債発行にはメリット、デメリット両方あります。まずはメリットから確認していきましょう。

1.元本は償還日まで返済しなくてよい

銀行などから融資を受けた場合、基本的には月々の返済が発生し、資金繰りに影響を与えるでしょう。しかし、社債は償還日までの間に利息を支払うだけでよく、長期間元本を返済しなくても構いません。

2.金融機関から融資を受けるよりも、低利、大規模な資金調達がしやすい

金融機関から融資を受ける場合、定められた利息を支払う必要があります。しかし、社債は、発行・流通市場の状況を踏まえた上で、利息を機動的に設定できるため、一般的に、金融機関と比べ低金利での資金調達が可能です。

3.株式と異なり、出資者が経営に関与しない

株式への出資者が経営権に影響を与えるのに対し、社債への出資者は経営に口出しできません。株主が会社の一部を手に入れた状態である一方で、社債は出資者があくまでも会社にお金を貸しているだけの状態です。経営権を守りたい場合は、株式より社債が向くといえます。

社債発行のデメリット

続いて、社債発行のデメリットについて確認していきます。

1.社債=借金

社債はあくまでも投資家からの借金であり、満期を迎えたら返済する必要があります。償還日までの積み立てが必要になるほか、財務上の評価にも影響を与えかねません。金融機関からも別途融資を検討している場合は、社債と融資を含めた全体的な資金調達計画を事前に説明しておくことが重要です。

2.手続きが煩雑

社債の事務作業や手続きに関しては、法律で定められた要件を満たさなければなりません。また、免許を受けた会社に社債管理業務を依頼する必要もあります。手続きが煩雑なため、簡単に発行できるわけではないこともデメリットといえるでしょう。

3.社債の管理にコストがかかる

管理業務は、銀行・信託銀行・担保付社債信託法上の免許を受けた会社に依頼する必要があり、管理業務に対して手数料などを支払わなければなりません。利息の支払い以外に、管理コストも考慮する必要があります。

社債を発行する際の注意点

社債を発行する際のデメリットについて確認ました。続いて、注意点について解説します。

返済計画を立て、確実に返済できるようにする

社債は毎月の返済がないため、何も考えずやみくもに資金を使ってしまうと、満期を迎えても元本が返済できない状態になりかねません。積み立てなどの返済計画を、償還日に向けてしっかりと立てておくことが大切です。

社債を発行する目的と用途を明確にする

資金調達には、資金が必要な理由があるはずです。発行の目的や用途をはっきりとさせておくことで、投資家からの信頼を得られやすくなるでしょう。特に、中小中堅企業が発行を検討する場合には、資金使途を組み込んだ、事業・設備投資計画書などの情報開示を整備する必要があります。

社債発行や銀行引受私募債も視野に入れて、経営の選択肢を増やそう

社債発行は、株式とは異なる魅力を持った資金調達方法ですが、中小企業にとって発行は簡単ではありません。まずは比較的発行のハードルの低い、銀行引受私募債などから検討してみてはいかかでしょう。

資金調達に関するお問い合わせはこちら

【オススメ記事】
なぜオペレーティング・リースに節税効果があるのか、その理由を知る
オペレーティング・リースは会計処理と税務処理に注意を
負債が多く資金繰りが厳しい時は「経営改善計画策定支援」を検討の一つに
資金調達を望む経営者へ エンジェル税制活用法
経営者必見!「逓増定期保険」で節税する時のメリット・デメリット