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中小企業の借入の目安は?近年の融資事情と、妥当な借入金額の考え方

(画像=mind-and-i/stock.adobe.com)

中小企業にとって近年の融資事情は、財務計画を立てるうえで重要な情報です。債務超過に陥らないためには、現状をしっかりと理解したうえで、慎重に計画を立てる必要があります。そこで今回は、金利などの融資事情や、妥当な借入金額の考え方をまとめました。

中小企業の借入の目安 は?近年の平均借入金利もチェック

東京商工リサーチが2019年に公表した「倒産企業の財務データ分析」によると、企業の借入依存度を示す有利子負債構成比率は、生存企業で29.0%、倒産企業で74.3%とされています。有利子負債構成比率とは、総資産に対する長短借入金や社債などの割合のことです。

また、一般的な中小企業を例に挙げると、総資産に対する長期借入金が占める割合は、40~45%程度と言われています。この数値を上回っており、かつ有利子負債構成比率が70%に近づくようであれば、資金繰りの悪化や倒産危機に直面していると判断できるでしょう。

企業の平均借入金利は低下傾向に

中小企業の借入金については、「金利動向」も経営者が把握しておきたいポイントです。帝国データバンクが公表した「全国平均借入金利動向調査(2018年度)」によると、企業の平均借入金利は2007年~2018年にかけて11年連続で低下しました。

2018年度の平均借入金利は1.37%であり、小売業が最も低いなどの業種による差は見られるものの、全業種で金利は低下しています。つまり、2000年代や2010年代前半に比べると、中小企業にとっては利息の負担が下がっていると判断できます。

借金は必ずしも悪ではない!法人が融資を受けるメリットとは?

法人の借入金に対して、「絶対に増やさないほうが良い」と考える経営者は多くいることでしょう。しかし、会社が直面している状況次第では、借金は必ずしも悪とは言えません。

たとえば、企業が順調に収益を伸ばすためには、まとまった設備資金や運転資金が必要です。仮にビジネスチャンスが到来しても、手元にある程度の資金がなければ大きな利益を生み出すことはできません。成長市場に新規参入したり、少ない資産で大きな利益を生み出したりするには、必然的に借入金が必要になってくるのです。

また、地域の金融機関やメインバンクから融資を受けることで、金融機関との関係性や返済実績を作れる点も、法人が借金をするメリット。金融機関と良好な関係を築いておけば、将来的に大きな資金が必要になったタイミングで、融資のハードルを下げられる可能性があります。

中小企業の妥当な借入金額の考え方

借金が必要になるタイミングはあるものの、返済目途が立たなければ経営を大きく圧迫してしまうので、「妥当な借入金額」は慎重に設定する必要があります。その第一段階として、まずは想定している借入金額と以下の式を見比べてみましょう。

当期純利益+減価償却費>元金返済額

上記の式が成立していれば、スムーズに借金は返せていると判断できます。借入金の返済に必要な利益は、「当期純利益+減価償却費」の式で計算できるため、借金をする前に自社の返済能力を確かめておきましょう。

また、借入金を利益等で完済するまでの期間を「債務償還年数」と言いますが、この債務償還年数が10年を超える場合には注意が必要です。債務償還年数は、法人の返済能力を判断するうえで非常に重要な指標となるので、こちらも以下の式を用いて事前に計算しておくことが大切です。

債務償還年数=(借入金-運転資金-現金預金)÷(当期純利益+減価償却費)

なお、仮に高い返済能力があったとしても、手元に現金がなければ万が一の事態に対応できません。そのため、中小企業の経営では妥当な借入金額に加えて、残しておくべき「現金預金」も強く意識する必要があります。

業種や規模によって基準は多少異なりますが、ひとつの目安としては「借入金の30%以上の現金預金」を維持することが望ましいとされています。借金と現金預金のバランスも意識しながら、今後の資金計画を慎重に立てていきましょう。

融資を受ける前に、妥当な借入金額のチェックを

中小企業にとって借金は、会社を存続・成長させるために必要なものです。ただし、返済能力以上の資金を借り入れると、逆に経営を大きく圧迫してしまうので、借入金額は慎重に設定しなければなりません。

融資を検討している中小企業は、借り入れをする前に本記事の内容を見直し、現時点での妥当な借入金額をしっかりと把握しておきましょう。

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