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「日本公庫の融資」と「制度融資」を徹底比較!それぞれの有利なポイントと、利用する融資の選び方

(画像=beeboys/stock.adobe.com)

公庫融資と制度融資は、いずれも中小企業にとっては心強い融資制度です。ただし、それぞれ魅力的な点が大きく異なるため、安易に申し込む制度を決めるべきではありません。融資を検討している方は、本記事で公庫融資・制度融資の違いを確認しておきましょう。

公庫融資・制度融資とは?まずは基本的な概要をおさらい

「公庫融資」とは、日本政策金融公庫(※以下、日本公庫)が実施する融資制度全般を指します。日本公庫は世の中の事業者に向けてさまざまな融資制度を整備しており、代表的なものとしては新創業融資や中小企業経営力強化資金などが挙げられます。

一方で、各地方自治体が中小企業をサポートするために実施している融資制度は、「制度融資」と呼ばれています。制度融資は各自治体と信用保証協会、または指定金融機関が連携する形で実施されており、自治体によって融資条件が多少異なります。

いずれの融資制度も、根本的には「中小企業の支援」を目的にしているため、一般的な融資に比べると借入のハードルが低く設定されています。また、金利が低かったり返済期間が長かったりなど、返済負担を抑えやすい特徴がある点も公庫融資・制度融資の魅力といえるでしょう。

公庫融資と制度融資の違いとは?2つのパターンにわけて徹底比較

では、公庫融資と制度融資の間には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。借入条件は融資の種類によって変わってくるため、以下では「創業時に利用する融資制度」と「それ以外の融資制度」の2パターンにわけて公庫融資・制度融資の違いをまとめました。

○創業時の融資制度の違い

新創業融資
(公庫融資)
東京都中小企業制度融資「創業」
(制度融資)
申し込み期間事業開始後の税務申告を2期終えるまで創業した日から5年未満
主な要件雇用創出や勤務経歴の要件など、さまざまな要件が設けられている創業時には具体的な計画が必要になるものの、雇用要件や勤務経歴の要件はなし
融資限度額3,000万円(うち運転資金1,500万円)3,500万円
金利2.46%~2.75%(基準利率)1.70%~2.50%(※別途、信用保証料が発生)
返済期間・据置期間・運転資金…5年以内
・設備資金…10年以内
・据置期間…いずれの資金も6ヶ月以内
・運転資金…7年以内
・設備資金…10年以内
・据置期間…いずれの資金も1年以内

○創業時以外の融資制度の違い

中小企業経営力強化資金
(公庫融資)
東京都の「経営一般」
(制度融資)
主な要件事業内容や会計方法に関する要件が設けられている売上減少や総借入金などに関する要件が設けられているものの、さまざまなケースが該当する
融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)1億円
金利2.16%~2.45%(担保がない場合の基準利率)1.50%~2.20%(※別途、信用保証料が発生)
返済期間・据置期間・運転資金…7年以内
・設備資金…20年以内
・据置期間…いずれの資金も2年以内
返済期間…10年以内
据置期間…2年以内

それぞれの融資制度の有利なポイントは?利用する融資の選び方

上記でまとめた比較結果をもとに、それぞれの融資の有利なポイントを整理してみましょう。

・要件…公庫融資に比べると、制度融資はハードルが低い
・融資限度額…制度融資のほうが高い
・金利…金利自体は制度融資のほうが低いものの、別途で信用保証料が発生する
・返済期間…創業時では制度融資、それ以外では公庫融資のほうが長い

上記以外の点を比較すると、申し込みの容易さでは公庫融資に、自己資金要件の容易さでは制度融資に軍配が上がります。また、公庫融資の新創業融資については、代表者が連帯保証人になる必要がない点も押さえておきたいポイントです。

ここまでをまとめると、大きな手間をかけずに融資を受けたい場合や、連帯保証のリスクを抑えたい場合には、新創業融資が適していると言えるでしょう。その一方で、利息を含めた毎月の返済額を抑えたい場合や、自己資金が少ないケースでは、制度融資のほうが有利になる可能性があります。

ただし、今回はいくつかの融資制度を挙げて比較した結果に過ぎないため、どちらが優れているのかを一概に言うことはできません。公庫融資・制度融資ともに、ほかにもさまざまな融資制度が実施されているため、可能であれば申し込む予定の融資制度をいくつか絞ったうえで、それぞれの借入条件を細かく比較することが大切です。

融資制度を選ぶ前に、目的の明確化と比較を

公庫融資と制度融資は、自社の状況に応じて使い分けることが重要です。それぞれ魅力的なポイントが異なるため、「なぜ融資を受けるのか」という目的を明確にしてから、目的により適した融資制度を選ばなくてはなりません。

特に金利や返済期間などの借入条件は、今後の経営状態を大きく左右する要素なので、しっかりと比較をしたうえで融資制度を選ぶようにしましょう。

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