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企業倒産件数が増加傾向に?中小企業が直面する実情と意外な”落とし穴”

(写真=PIXTA)

中小企業にとって最も避けるべきものは「倒産」です。しかし、昨今では多くの企業が危機に直面しており、その波は日本全国に広がっています。そこで今回は、今だからこそ押さえたい中小企業の実情や、理解しておきたい倒産リスクなどをまとめました。

企業倒産件数は11年ぶりに増加する可能性が

2019年に入ってから日本国内の景気は、停滞感がやや強まっています。

東京商工リサーチの調査によると、2019年1月~10月の企業倒産件数は前年同期に比べて0.8%増。2019年9月からは3ヶ月連続で前年同期を上回っており、11年ぶりに倒産件数が増加する可能性が出てきています。

産業別のデータでは、特にサービス業と建設業の倒産件数が多い結果に。企業規模を見ると、倒産したのは小規模企業や零細企業が中心ですが、資本金1億円~5億円の中堅企業の倒産件数も増加傾向にあるため、中小経営者にとっては気の抜けない状況が続いています。

このような危機的な状況は都市部に限らず、地方を含めた日本全体に広がりつつあるので、経営者は早めに手を打っておく必要があるでしょう。

中小企業に何が起こっているのか?地方企業が抱える深刻な問題とは

では、なぜ中小企業に倒産の波が広がっているのでしょうか。その要因としては、主に以下の点が挙げられます。

・後継者難や求人難などの人手不足
・経営不振を原因とした粉飾決算の増加
・景気減退や粉飾倒産を危惧し、地方銀行がリスク管理を強化した
・2019年9月~10月の台風など、災害によるダメージ

上記の要因から考えると、特に地方企業は危機意識を高めたいところです。地方銀行が警戒心を強めた場合に最も影響を受けやすい立場ですし、地方は人材不足に悩まされやすいので、リスクをいち早く察知して対策を講じなくてはなりません。

近年はアベノミクスによる株高や円安で潤ったとも言われますが、都市部に比べると地方はその恩恵が少ない傾向にあります。その分、景気減退が早く始まる恐れがあるため、今後は倒産リスクをより強く意識する必要があるでしょう。

経営者が注意しておきたい意外な”落とし穴”と倒産の前兆

予期せぬ倒産を防ぐには、倒産につながるリスクをいち早く察知することが重要です。特に以下で紹介するような、内部から分かりづらい落とし穴や前兆には細心の注意を払わなくてはなりません。

1.ネット上の書き込みやSNSによるイメージ悪化

インターネットが普及した現代では、あらゆる情報を手早く収集・発信できます。企業にとってもネットは便利なツールですが、場合によっては企業を倒産に追い込むことがあります。

たとえば、ネット上の掲示板に悪評が一度書き込まれると、その情報は長期間残ってしまいます。ほかにも、従業員のふとした書き込みがSNS上で拡散したり、文字だけの情報で社風が誤解されたりなど、注意しておきたいリスクは少なくありません。

昨今ではコンプライアンスを求めるムードが強まっているので、ネットの使い方は会社全体で見直しておきたいところでしょう。

2.キャンペーンが裏目に出てしまう

会社の知名度を高めるために、キャンペーンを検討している企業は多いはずです。キャンペーンは確かに宣伝にはなりますが、内容によっては自らの首を絞めてしまう恐れがあります。

たとえば、半額キャンペーンを頻繁に実施すると、消費者は次第に「半額のときにしか利用しない」と感じ始めます。キャンペーン当初は一時的に売上が伸びますが、長期的に見れば売上・客足が大きく減少する恐れがあるため、キャンペーンの内容は慎重に判断しなければなりません。

新鮮さが失われると消費者の関心も薄まるので、特にキャンペーンの頻度や期間は計画的に設定する必要があるでしょう。

3.取引先の経営悪化

中小企業にとって、取引先の経営悪化は深刻なリスクです。仮に数少ない取引先が倒産をすると、売掛金が回収できないうえに自社の売上は大きく下がることになるので、倒産の可能性が一気に高まります。

中には大企業が倒産をすることで、その下請けや取引先が次々と経営不振に陥り、全国的に連鎖倒産が広がったケースも。そのため、直接取引をしている企業に限らず、自社に関連するさまざまな企業の状況を常に意識しておきたいところです。

また、中小機構の「経営セーフティ共済」に加入しておけば、取引先が倒産をした際に資金調達をサポートしてもらえるので、リスク防止の選択肢として考えておきましょう。

リスクを敏感に察知して、早めの対策を

経営資源や資金が限られている中小企業は、一度経営が傾くと深刻な事態につながりかねません。そのため、本記事で紹介した落とし穴や前兆を敏感に察知して、早めに対策を講じることが重要になります。

取引先や関連会社はもちろん、国内の景気や流行などにも目を向けながら、常に万全の経営体制を築くことを目指しましょう。

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