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中小企業が知っておきたい「ダイバーシティ」の基本 JALやJTBの事例も紹介

Diversity Business Collaboration Partnership Teamwork Concept
(写真=PIXTA)

働き方改革が叫ばれる昨今、特に注目されているのが「ダイバーシティ」です。積極的に取り組んだ結果、競争力が向上したり、就労環境が改善されたりする事例も見られます。正しい方向性で施策を進めるには、ダイバーシティの概要を正しく理解することが必要です。

「ダイバーシティ」とは?4つのメリットも紹介

ダイバーシティとは、簡単に言えば「人の多様性」のことです。具体的には、企業が人種・国籍・性別・年齢などにとらわれずに人材を受け入れる考え方であり、日本では2004年頃から広まり始めました。

企業がダイバーシティに取り組む主なメリットは、以下の通りです。

【1】多様な発想が生まれることで、幅広い顧客ニーズに応えられる
【2】採用活動の間口を広げることで、優秀な人材を獲得しやすくなる
【3】企業の創造性・革新性が向上し、イノベーションを実現しやすくなる
【4】就労環境を変えることが、労働者のライフワークバランスの実現につながる

ダイバーシティは企業の就労環境を大きく変えるため、「働き方改革」が叫ばれる近年では特に注目されるキーワードワードになりました。

ダイバーシティにはさまざまな選択肢が!具体的な施策や事例を紹介

ダイバーシティと聞くと、「高齢者採用」や「女性採用」をイメージする人もいるでしょう。これらもちろん該当しますが、選択肢の一部に過ぎません。実際にはさらに多くの目的や施策があります。

具体的にどのような事例があるのか、詳しく見ていきましょう。

1.女性のキャリアアップ支援

食品や調味料のメーカー「カゴメ株式会社」は、女性ユーザーのニーズに広く応える目的で、女性のキャリアアップ支援に力を入れています。具体的には、育児などをテーマにした「ワークライフセミナー」や「女性管理職勉強会」などを開催しています。

その影響で、社内には女性社員を中心とした新たな事業が誕生するなど、女性全体の労働意欲が向上。単に採用の間口を広げるだけではなく、採用後にもキャリアアップを積極的にサポートすることで、女性にとって働きがいのある環境を実現しています。

2.アプリ活用による障がい者の業務拡大

旅行会社の「株式会社JTB」は、UDトークと呼ばれるアプリを導入することで、聴覚障がい者の業務拡大に取り組んでいます。UDトークは声をリアルタイムで文字化し、スマートフォンなどの画面上に表示させるアプリで、音声読み上げや英語翻訳などの機能もあります。

コミュニケーションが円滑になれば、障がい者にとっては活躍の場が増えるだけではなく、労働意欲が向上するきっかけにもなるでしょう。この取り組みは多方面で評価されており、2018年度には「働き方・休み方改革、ダイバーシティ推進」に関するJATA会長表彰において、ダイバーシティ推進部門の大賞を受賞しました。

3.業務の可視化とプロセスの改革

航空会社の「JAL(日本航空株式会社)」はワークスタイル変革として、業務プロセスの改革に取り組んでいます。具体的には社内に発生する業務を可視化し、分離できる部分は業務サポートセンターに集約・移管することで、「なくす・減らす・置き換え」を目指しています。

将来的にはAIやロボットを活用し、人間が行う業務の価値を高めようとしている点もJALの特徴です。JALでは、この取り組みによって残業時間が減ったり、女性社員による新たなサービスが誕生したりするなど、さまざまな効果が現れています。

自社になじむダイバーシティの形を見極めることが大切

ダイバーシティにはさまざまな施策があり、中小企業が採れる選択肢も多くあります。特に従業員が少ない中小企業が取り組めば、短期間で効果が現れることもあるでしょう。

ただし、就労環境が大きく変わる施策については、慎重に計画を立てる必要があります。急激に進めると、従業員に不安を与えるリスクがあるので、様子を見ながら自社になじむ形を見極めましょう。

ダイバーシティはあくまでも働き方改革の「手段」であり、最終的なゴールではありません。例えば、高齢者採用や女性採用の目標値を達成しても、各人材の活躍の場が広がらなければ働き方改革にはつながらないでしょう。

会社や人材にとって「本当に必要な環境」を見極めた上で、具体的な計画を立てることが重要です。

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