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中小企業でも取り入れられる!Appleも起用する「アジャイル・タレント」とはいったい何か?

(写真=PIXTA)

「アジャイル・タレント」とは、あらゆる変化に俊敏かつ柔軟に対応できる、高い専門性を有するリモート人材のことです。従来のフリーランスや派遣社員の枠にとどまらないこうした次世代の人材活用が、今後の中小企業の人材・経営戦略にどのようなメリットをもたらすかを解説します。

アジャイル・タレント――俊敏さと高い能力を備えた次世代の外部エキスパート

「アジャイル」という概念は、2000年代初頭にソフトウェア開発手法の新潮流として、IT業界に導入されました。

この手法の狙いは、従来の開発手法である「ウォーターフォール型」の弱点を克服し、顧客の要望や仕様変更に俊敏かつ臨機応変に対応することにありました。

アジャイル手法がソフトウェア開発で成果をあげる中、近年はこの手法が新規事業やサービスの展開、人事、ひいては経営全般にも適用できると考えられるようになっています。

米戦略人事研究の第一人者ジョン・ヤンガー氏は、共著書「Agile Talent:How to Source and Manage Outside Experts」(2016年)の中で、「アジャイル・タレント」について、高度な専門性を有した、「lean(無駄がなく効率的)」「agile(機敏さ)」「fast(スピード感)」を戦略的に実践する外部のエキスパートであると定義しています。

アジャイル・タレントは、一つの組織に正社員として属さないで業務を請け負う、次世代のフリーランス人材とも言えます。従来型の派遣社員や契約社員、業務委託の進化系だと捉えてもよいでしょう。

アジャイル・タレントが「進化系」であるのは、派遣社員などに比べると、プロジェクトや事業に対する関与度が大幅にアップしていることに起因します。

分析からテストまでの一連のプロセスを何度も繰り返す過程で、主体的に意思決定を行い、クライアントやチームメンバー、他部門と協調し協議を繰り返すことで、短期間にチームとしての高いパフォーマンスを実現します。

アジャイル・タレント活用のメリット――企業の戦略的チャレンジに貢献できる

新規事業や新規プロジェクトによっては、社内でしかるべき専門性を持った人材がみつからない、あるいは事業展開した現地の事情に詳しい人材が確保できないようなときは、アジャイル・タレントを活用すると事業のパフォーマンスが大幅に向上します。

この場合、一時的に人件費は発生しますが、アジャイル・タレントが事業に及ぼす適応力、スピード感、革新性などは、企業にとってコスト以上に重要な意味を持ちます。

コスト削減の面から考えても、フリーランスであるアジャイル・タレントの起用は非常に効果的です。アジャイル・タレントと同程度のパフォーマンスをあげられる人材を正社員として採用すれば、高額な人件費が継続的に発生して減益につながるリスクも出てきます。

AppleやGoogleもアジャイル・タレントの活用を実践

成長戦略に敏感な大企業、例えばApple、Google、IBM、Uberなどでは、すでにアジャイル・タレントの活用を実践しています。上述のヤンガー氏の共著書では、調査データに基づいて、こうした大企業がいかにしてアジャイル・タレントを事業のパフォーマンス向上に結び付けているのかを明らかにしています。

「Harvard Business Review」(2016年6月号)でも、本書をテーマにしたヤンガー氏のインタビューが掲載されています。

インタビューでヤンガー氏は、アジャイル・タレントの活用で実績のある企業の共通点として、以下のような受け入れ態勢がとられている点を指摘しています。

① ミッションの明確化――現実的なゴールやスケジュール、優先順位の明示
② パフォーマンスの最適化――目的を明確にして独自の基準を適用できる環境と、アジャ
  イル・タレントのパフォーマンスや働き方に対する定期的なフィードバックがある
③ チーム内の相互理解――正社員と、企業文化や業務上の関心事、価値観の違いについて
  相互に理解する
④ マネージャーとの良好な関係――マネージャーのスキル、経験、物事の見方などが尊敬
  に値する
⑤ 円滑なチーム運用――チーム内のコミュニケーションが円滑で、メンバーがアジャイ
  ル・タレントの業務の進め方や働き方に共感している

つまり、企業側には、アジャイル・タレントのベストパフォーマンスを引き出すために、彼らが働きやすい環境を整備する必要があるのです。

働き方の多様性としてのアジャイル・タレント

正社員や派遣社員、業務委託などにアジャイル・タレントが取って代わるわけではありません。アジャイル・タレントは多様な働き方の一つです。ニーズに合ったアジャイル・タレントをピンポイントで活用することで、企業としてのパフォーマンス向上も大いに期待できることでしょう。人手不足に悩む中小企業においても、新規事業の拡大や既存事業の強化を図るためにもアジャイル・タレントの活用を検討する価値はあるでしょう。

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