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中小企業が「中小企業格付」を取得すべき4つのメリット

(写真=Wolfilser/Shutterstock.com)

格付は上場会社や債券の発行体の信用度をはかるために用いられる指標です。格付が高ければ高いほど、財務状況が健全だと認められます。中小企業でも格付を取得する企業が増えていますが、「中小企業格付」を取得して得られる4つのメリットを活用し、企業の事業戦略に繋げましょう。

中小企業格付とは

中小企業格付とは信用格付機関が独自の検証方法で行う信用力の評価のことを言います。例えば、R&I中小企業格付では下記のように定義されます。

例)R&I中小企業格付の格付定義
格付 内容
aaa 中堅・中小企業のなかで信用力は相対的に最も高い。
aa 中堅・中小企業のなかで信用力は相対的に非常に高い。
a 中堅・中小企業のなかで信用力は相対的に高い。
bbb 中堅・中小企業の中で信用力は相対的に十分であるが、将来環境が変化する場合、注意すべき要素がある。
bb 中堅・中小企業のなかで、信用力にやや問題がある。将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。
b 中堅・中小企業のなかで、信用力に問題がある。絶えず注意すべき要素がある。
ccc 債務不履行に陥っているか、またはその懸念が強い。

(出所:R&I中堅企業格付)

ここで注意してほしいのは債券などに付与されている格付と中小企業格付に付与される格付は同義ではありません。同じAAAとaaaでも内容が異なるので注意が必要です。なお、格付業者よって評価対象先はさまざまです。R&Iでは自営業、金融業、各種公社、社団法人、財団法人、医療法人、学校法人、公益法人、各種組合、R&Iが指定する業種に属する事業を営む各種団体等の一部の業種を除いて格付審査が受けられます。

また、格付は、ある特定の期の決算をもとにして評価日時点における内容が付与されます。期替わり後に新しい決算での格付を取得する場合は決算期から3ヵ月以内に継続の申し込みをすれば格付が更新されます。ただし、格付取得後に継続的なモニタリングは行われないので、信用力に変化があっても格付の変更は行われません。格付取得後に財務状況が良くなったら格付評価の再申請をするのがよいでしょう。

中小企業格付付与の4つのメリット

中小企業格付付与には4つのメリットがあります。それぞれについて確認してみましょう。

●企業のIRに繋がる
中小企業格付を取得した後は、企業が希望すれば格付機関のホームページや全国紙で結果を公表してくれる場合があります。

●県内外の企業に対して信用力をアピールできる
取引先や新規企業先に対して、自社の格付を説明すれば財務状況が良好だと「信用」を得られます。特に新規取引の場合、数期分の決算書の提出を求められたり、事細かに会社の財務状況を聞かれたりする経験がある経営者もいるはずです。中小企業格付を取得していれば、財務状況の客観的な評価を伝えられるため、相手方の企業からも信用を得られやすくなります。

●人材採用の促進
厳しい上場基準をクリアしている上場会社とは異なり、中小企業は知名度や信頼性などの観点から優秀な人材の確保に時間がかかります。転職エージェントや採用候補者の視点で考えれば「財務状況が健全」な中小企業を検討したいと思うはずです。中小企業格付で信用度が上がれば「信用される企業だ」と認識されるため、面接希望者が増えたり、優秀な候補者の内定承諾に繋がったりします。

●自社の客観的評価をもとに経営目標を立てられる
中小企業格付を取得すれば、自社の財務面の立ち位置を把握できます。aaaの企業なら財務状況が悪化しないように対策すべきですし、bbbなどで財務状況次第で業績を軌道に乗せられるなら事業計画を立て直し、健全な決算書になるよう数年に渡る事業計画を立てましょう。また、低格付なら金融機関など外部の専門家の力を借りて早期の改善を行いましょう。客観的に見て会社の体力が思った以上になければ、コスト削減や事業の縮小なども視野に入れ、財務状況の回復を一番に考えて動くのです。そして、今より高い格付を取得するのです。

これらのメリットを活用すれば、会社の価値向上に繋がり、より健全な経営を目指せます。自社の信用度をさらけ出すのはデメリットだと感じる経営者もいますが、一考してみましょう。

中小企業格付を取得してみよう

こうして見てみると中小企業格付の取得は企業の価値向上にメリットがあります。申し込みをしたいと思う場合は、金融機関に相談してみましょう。金融機関によって提携格付会社は異なりますが、必要書類や手続方法を詳しく教えてくれます。また、金融機関の担当者に格付取得後にどのような事業戦略を取れるかを相談するのも一案です。企業の価値向上に寄与できるよう、中小企業格付を検討してみませんか。

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