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オペレーティング・リースへの投資前に経営者が確認するメリット・デメリットとは

(写真=PIXTA)

オペレーティング・リースは、節税商品のひとつとして認知されています。今回は、税務面に限らず、オペレーティング・リースのメリット・デメリットについて解説し、商品特性を理解するための一助にしてください。

オペレーティング・リースのメリット

前回の記事、「なぜオペレーティング・リースには節税効果があるのか、その理由を知る」でもお伝えしたとおり、オペレーティング・リースにはメリットがあります。ここでは2つのメリットについて考えてみましょう。

●少ない資金で大きな投資をしたような効果

オペレーティング・リースでは一般に、匿名組合契約で営業者となるSPC(特別目的会社)が投資家からの出資を受け入れるとともに、資産の購入資金の大半を金融機関からの借入金でまかなうと言われています。

そのため、投資家から見ると、少ない投資金額で大型投資を行うのと同様の効果を生むことができます。SPCが購入した資産の減価償却費が多額に計上されるため、匿名組合事業の損失を大きくすることが可能であり、投資家である法人にとっては節税につながります。

●タックス・プランニングに活用できる

リース期間の終了時に資産を売却することで、売却益が発生することが想定されます。将来、役員退職金など多額の費用発生が見込まれる場合、オペレーティング・リースで生じる利益と相殺することにより、決算上の利益や税務上の所得を平準化することに役立てることができます。

オペレーティング・リースのデメリット

メリットがある一方、デメリットもあります。5つのデメリットについて考えてみましょう。

●回収不能のリスク

オペレーティング・リースへの投資は元本保証型の商品とは異なり、リースの借り手が債務不履行を起こすなどの理由で、投資額の全部または一部が回収不能となる可能性があります。

こうしたリスクを回避するためには、商品内容をよく理解するとともに、リースの借り手(航空会社、海運会社など)の業績や財務内容を吟味することも一つの方法です。

●為替リスク、金利リスクについて

オペレーティング・リースの借り手が海外の会社である場合、物件購入やリース料が外貨建取引となることがあります。特に、リース料はリース期間における為替変動の影響を受けることが考えられます。

また、多額の借入金を利用するため、金利水準が高くなった場合には利息負担の負担により、匿名組合事業の収支を圧迫する可能性があります。

●アレンジメントフィーなどの存在

出資した金額のうち数パーセントがオペレーティング・リース商品を組成するためのアレンジメントフィーとして徴収されます。また、リース資産の管理やSPCの運営に要する費用、借入金の利子などが匿名組合事業の経費となります。

●中途解約できない

リース期間の途中で匿名組合契約を解消することが困難です。契約上の地位を譲渡することは可能ですが、現実的には希望通りの条件で譲渡できるとは限らず、譲渡により損失が発生することも考えられます。基本的には10年前後の長期にわたって投下資金が固定化されるという前提で投資を行うのがよいでしょう。

●税制などが改正される可能性

過去には投資額以上の損金を計上することができるレバレッジドリースという商品が流行しましたが、現在では、税制改正の結果、損金計上は当初の投資額が上限となっています。将来、オペレーティング・リース商品に関する税制改正や新たな通達が出された場合、現行の取り扱いが変更になる可能性は十分あり得ます。

メリット・デメリットから分かるオペレーティング・リースの商品特性

以上のようなメリット・デメリットから分かるのは、オペレーティング・リースの本質は課税の繰延を期待した商品であるということです。一定の利回りが得られるように商品化されているものの、金利および為替に関するリスク、リース先や運営会社に対する信用リスクも存在するため、元本が保証されているものではありません。

リース期間終了時には多額の益金が発生する可能性があるので、あくまで的確なタックス・プランニングと一体となって、はじめて効果を生む商品であることは認識しておいた方がよいでしょう。

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